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そのぎ茶の魅力を世界へ発信する製茶問屋「西海園」

西海園・茶葉のイメージ画像
受賞歴多数!東彼杵町の「西海園」と考える、これからのお茶のコト。

長崎県有数のお茶の生産地・東彼杵町において、国内・海外で評価を得ている製茶問屋がある。二瀬浩志さんが代表を務める「有限会社 西海園」だ。契約農家やお茶市場から厳選した茶葉を仕入れ、私たちの手元へと届く商品としてのお茶を製造する。茶畑で丹精込めてお茶を育てる生産者たちがいれば、それを世の中の市場へと流通させていく商社の存在もまた不可欠。

今回は、そんな「西海園」ならではの取り組みや視点をご紹介。

トップ層にランクインしつづける実績

Japanese Tea Selection Paris

近年の健康志向の高まりと共に日本茶への関心が高まるパリを舞台にして、年に1度行われるコンクールだ。応募点数が100件や200件以上もある中で「西海園」は、2019年大会と2020−2021年大会の2連続で賞を受賞。出品した3商品が金賞・銀賞・銅賞などをそれぞれ獲得した。

二瀬「おかげさまで、テレビや新聞取材などの連絡があったり、HPを通じて全国・海外から反響があったりしています。その声に対応できるよう、受賞商品を詰め合わせにした特別セットも販売しています。パッケージで伝わるように、工夫して作ったんです。」

西海園代表・二瀬浩志さん

また、2014年から始まった「日本茶AWARD」においては、2019年まで5年連続で受賞している。中でも、2016年大会では商品「さえみどり」が日本茶準大賞(副賞:農林水産省生産局長賞)に輝いた。

西海園・日本茶AWARDの表彰品
西海園・事務所の表彰状

日本茶の伝統文化をより広く発信しようと、国内外問わず、コンテストが開催されている。家庭で楽しむことはもちろん、海外の和食料理店でも上質な日本茶を求める声が多数。フランス料理で言うところのワインのような位置付けだ。このような品評会を通じて、海外の現地業者とも繋がり、料理店などで取り扱ってもらうことに発展していく。

東彼杵のお茶が世界的な評価を受け、海を越えてあらゆる人たちの元へと渡っていくことを考えると、誇らしい気持ちになる。世界中から日本茶への注目が集まる中、「西海園」はトップ層にランクインし続ける、確かな実力の持ち主なのだ。

柔軟なアイデアで、若者世代にアプローチ

そもそも、“良いお茶”の条件とは何だろう?普段何気なく楽しむ日本茶も、その味には作り手のメッセージが隠されているはずだ。

二瀬「いわゆる良いお茶に対して、「三拍子が揃った」と表現をします。色・香り・形ですね。その上でのこだわりっていうのは、つまりどこに比重を置くのか、という話なんです。重視するポイントで、お茶の個性が変わってきます。私たちは、それをブレンドで表現するわけですね。」

西海園・工場の機械をチェックする様子

「西海園」は、甘みがあって飲みやすいお茶を提案する。「お茶=渋い飲み物」というイメージを持ちがちな若者を意識した方向性だ。

また、水の入ったペットボトルに入れて振るだけで、そのぎ茶を作ることができるティーバッグ「そのぎシェイク」を開発。実家を離れて一人暮らしをする若者世代は、家に急須を持たない人も多い。お茶はペットボトルで飲むもの、という価値観になりつつある傾向を逆手に取った。このアイデア商品は、お茶の未来を感じさせる商品を提案する「世界緑茶コンテスト2019」において、金賞の中に選ばれている。

二瀬「ペットボトルで飲むお茶が本来の味だと思う人は多いと思います。そんな人たちに、急須で淹れたお茶の味を知って欲しい。だけど、やっぱり手軽に飲みたいっていう考えがあると思うので、そんな若者でも親しみやすく感じてもらいたいですね。それから、SNSで広めていってくれることも期待して世代を意識しています。」

コロナウイルスの影響で、巣ごもり需要が高まる昨今。道具を買い揃えて、家でコーヒーやお茶を自分で淹れる人が増えている。「西海園」には、手軽さを入り口に、若者にお茶を楽しんでもらえるきっかけを作ろうと励む姿勢があった。

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西海園・お茶を急須で淹れるシーン
全国1%の奇跡「そのぎ茶」

二瀬さんは現在、先代の父親から「西海園」を継ぐ形で代表を務める。その前は、専門学校での勉強や営業職を経験するなどして、お茶の世界に入ってきた。そんな二瀬さんに、消費者がどのような視点でお茶を選ぶのか、尋ねてみた。

二瀬「味以外に、となると…。お客さんに贈ることができる、見た目もきちんとしたもの、でしょうか。味や品質はもちろんですが、試飲がしづらい今、商品を手に取った時のパッケージ・第一印象は大切だと思います。昔は既製品の茶袋をそのまま使っていたりしていたのですが、今はそこもこだわらないといけないかなと。」

コンテストで受賞する実力もさることながら、すぐに特別セットを用意したり、商品の袋の中に受賞歴を記載したしおりを同封したりするなど、細やかな気配りも怠らない。大切な人への贈り物をセレクトするならば、作り手側の思いやりが感じられる物を選びたいものだ。

西海園・「Japanese Tea Selection Paris」の表彰状

二瀬「そのぎ茶も九州の中では名が知れてきました。でも、九州外から見れば嬉野茶のイメージがまだ強い。小さい町なので、PR不足も否めません。やっぱり、まずは関東方面の人たちに知ってもらいたいですね。」

課題を感じる二瀬さんの言葉には、そのぎ茶のこれからを考える意志が感じられた。決して悲観的ではなく、自信に満ちた表情で。

西海園代表・二瀬浩志さんが語るシーン

二瀬「ちょっと大袈裟かもしれないですけど、東彼杵のお茶って全国の1%なんですよ。小さい町だから取れるお茶の量は少ないけど、モノはいい。それだけは自信を持ってお勧めできる素晴らしいお茶です。そんな“1%の奇跡”を味わってもらいたいですね。」

東彼杵町という小さい町から、日本中・世界中に向けてお茶の魅力を伝えようとする人たちがいる。「西海園」は、これからその魅力に出会うであろう、まだ見ぬ若者世代とのコミュニケーションにも挑戦。時代の流れを読むそのぎ茶の製造問屋は、次に何を魅せてくれるだろうか。

有限会社 西海園

東彼杵町三根郷1349

0957-46-0160

休業日:日曜日・祝日

※変更になる場合がございます。くわしくはお問い合わせください。

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